東京モーターショーの花といえば、容姿端麗なイベントコンパニオンたちだが、職業として一般的となったのは高度経済成長末期、大阪万博の説明要員がはじまりだと言われている。
その後、各種見本市にも拡大。バブル期には、女子大生の憧れの職業として定着した。
一見華やかな世界だが、イベントごとに数度のオーディションを勝ち残り、合格後も広告代理店やメーカーによる数日間の研修を受け、長期開催のイベントでも終日、笑顔で立ち仕事。
彼女たちはただのお飾りではなく、担当車種に精通して車の説明もこなさなくてはならない。しかも、景気の良かったころに比べて近年では宿泊手当がつかず、早朝からの電車通勤が当たり前になってきたという。
それでも彼女たちなくしてショーは成り立たない。車だけでなく、コンパニオン目当ての来場者も多いからだ。彼女たちの存在はショーを活気づける。東京モーターショーは、コンパニオンショーでもあるのだ。
※週刊ポスト2017年11月17日号