青々とした芝生の生えた小高い丘の上に、天皇皇后両陛下をはじめ皇族方がズラリと並ばれる。その荘厳な景色を実際に目にすることができるのは、毎年2度開催される『園遊会』への招待という名誉にあずかった人だけだ。
11月9日、秋の園遊会に約2300人が招待された。国会議員や立法・行政・司法各機関の要人、各都道府県知事や議会議長に交じって、リオデジャネイロ・パラリンピック競泳男子でメダル4個を獲得した木村敬一選手(27才)や音楽家の小室哲哉(58才)などが招かれた。
「各省庁の推薦を受けて、スポーツや文化事業など各界で功績を残した人が選ばれます。園遊会は両陛下の主催ですから、他の皇族方にとっても“招待客に失礼があってはならない”と気の引き締まるものだと思います」(皇室ジャーナリストの山下晋司さん)
招待客と歓談される両陛下のお姿は園遊会ならでは。今年の春の園遊会では、卓球の福原愛選手(29才)に美智子さま(83才)が「テレビで泣いてらっしゃるところを」と、“泣き虫愛ちゃん”だった頃の話をされ、福原選手が「お恥ずかしい」と赤面するほのぼのとしたシーンがあった。
昭和天皇時代の1982年の春の園遊会では、「(柔道は)ずいぶん骨が折れますか?」と尋ねられた元柔道オリンピック金メダリストの山下泰裕さん(60才)が、あまりの緊張に「2年前に骨折したんですが、今は体調も完全によく、一生懸命がんばっております」と答え周囲の笑いを誘ったのは語り草となっている。
各界で活躍する人に直接労いの言葉をかけられる数少ない機会だけに、両陛下にとっても園遊会は重要な位置づけだ。だが、その陰で美智子さまのお体にはひっそりと異変が迫っていた。
「秋口に入った頃から、以前にも増して首に痛みを抱えられているようなのです。ひどいときには、一歩踏み出されるごとに痛みが響いて、相当おつらいこともあったと聞いています」(宮内庁関係者)