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都の子ども受動喫煙防止条例は家庭内に権力が介入する危険

わずかな審議のみで条例案は可決された 時事通信フォト

 小池百合子都知事の独走が際立っている。国政のことではない、足元の都政のことだ。都議会では子どものいる自宅やマイカー内での喫煙を規制する条例案が可決、制定された。しかし、家庭など私的な空間にまで踏み込む規制に問題はないのか。ジャーナリストの入江一氏が解説する。

 * * *
 遡ること約1か月前の10月5日、衆院総選挙の公示を間近に控え、日本中が「小池劇場」に目を奪われていた最中、都議会では「子どもを受動喫煙から守る条例」が可決、成立した。

 同条例は18歳未満の子どもに受動喫煙をさせないよう努めることを「都民の責務」と規定。子どものいる部屋や自動車内で喫煙をしないよう努めなければならないとし、家庭外でも受動喫煙対策が不十分な店舗などに立ち入らせないよう努力義務を課す。罰則規定はなく、あくまで「啓発」を目的としたもので、来年4月1日から施行される。

 同条例は小池都知事が実質的に率いる都民ファーストの会と公明党、民進党が共同提出して賛成多数で可決されたが、反対した自民党都議からは次のような批判が上がった。

「私的空間を条例で規制するには慎重かつ十分な審議が必要だが、たった1日の委員会質疑ではあまりに拙速。継続審議すべきだ」

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