国内

東宮御所の秘話 建設費入札1万円、消えたヒキガエルの謎

東宮御所のカエルが姿を消した理由は?(イメージ写真/アフロ)

 皇室用財産として国の管理下に置かれる以前から、紀州徳川家の屋敷が置かれていた赤坂御用地には、一般人が気軽に足を踏み入れることは許されなかった。そしてこの歴史ある赤坂御用地には、これまで語られることのなかった秘話も詰まっていた。

 現在の赤坂御用地の歴史は、もとは紀州藩藩主の私的な邸宅だった屋敷があった場所を、明治維新後の1872年に当時の藩主だった徳川茂承が宮内省(当時)に献上したことに始まる。皇太子ご一家の暮らす東宮御所をはじめ、秋篠宮邸、三笠宮邸、高円宮邸などが並ぶ、さながら「皇族の住宅地」だ。

 50万平方メートルの敷地内には鬱蒼とした森が生い茂り、その全容は神秘のベールに包まれている。だが、今回、関係者を取材すると、赤坂御用地の全容が垣間見えてきた。深い歴史があるだけにその中には、これまで語られることのなかったあっと驚く秘話から、不気味な話までが詰まっていた。

 現在の東宮御所は、両陛下の「世紀のご成婚」の翌1960年に完成し、生まれたばかりの皇太子さまと家族3人で生活をスタートされた。「夫婦の手で育てたいから」と、それまでの乳母(めのと)制度を廃止し、美智子さまのご希望で小さなキッチンも備えられた東宮御所の総工費は約2億3000万円だったという。

「大林組や清水建設といった大手工務店7社が共同で建築に携わりましたが、その前段階で、工事を請け負う業者選定の入札が行われました。その際、1万円という提示をした会社があったんです。皇太子ご一家の暮らす住居を作る名誉を得られるならば、持ち出しは構わないという考え方だったのでしょう」(皇室ジャーナリスト・A氏)

 ちなみに、設計作業を中心になって進めたのは東京工業大学の谷口吉郎博士。帝国劇場のロビー及び客席や東京国立近代美術館も手がけた谷口博士は、のちに赤坂御用地に隣接する「迎賓館和風別館」の建築も担った。

 延べ床面積約1200坪の東宮御所は、公務を行う公室部分、ご一家が日常生活を送られる私室部分、職員が働く事務棟に分かれている。

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン