芸能

落語の二人会、三人会 それぞれの楽しみ方は

独演会も良いが二人会三人会も面白い

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、寄席とも独演会とも違う、二人会や三人会といった、複数の噺家による落語会についてお届けする。

 * * *
 寄席以外の落語会には独演会の他に、二人会や三人会といった「複数の演者が主役」のものがある。9月最終週、僕は二人会、三人会、四人会に一度ずつ行った。

 演者Aと演者Bによる二人会のプログラムは「ABBA」「ABAB」「AB」「ABA」の4パターンが考えられるが、「ABA」はAB対等というよりBがゲスト扱いに近く、「親子会(師匠と弟子の二人会)」などでよく見る。2人とも長講の「AB」はトークコーナーや色物などが入ることが少なくない。

 二人会の主流は2席ずつやるもの、それも「ABBA」形式が一般的。まずAが軽い噺を、Bがトリネタに準ずる演目をやって仲入り(休憩)、今度はBが軽いネタを振ってAがトリネタで締める。

「AB」型の二人会は演者2人が鎬を削る「激突型」だが、「ABBA」型は組み合わせの妙を楽しみたい。気心の知れた2人の連係プレーが1+1を3にも4にもする。

 五代目圓楽一門会の人気者が顔を揃えた9月25日の「三遊亭兼好・三遊亭萬橘二人会」(渋谷・マウントレーニアホール)はまさにそれ。萬橘『堀の内』→兼好『木乃伊取り』→仲入り→兼好『氷上滑走娘』→萬橘『次の御用日』という流れのバランス感覚が絶妙だった。『氷上滑走娘』は兼好オリジナルの新作落語、『次の御用日』は上方落語で、萬橘は先代桂文枝門下の桂枝光に教わったという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広
《中居正広が最後の動画を公開》右手を振るシーンに込められた「意図」 元SMAPメンバーへの想いとファンへの感謝「これまでの、ほんの気持ちをこめて」
NEWSポストセブン
雪が降る都心を歩く人たち。2月5日、「最強寒波」の影響で東京23区を含む平地でも雪が積もった(時事通信フォト)
真冬も白ソックスに生足を強いるブラック校則 批判の一方、学校側の事情「3次募集ですら定員の埋まらない高校なんて厳しく管理しなきゃ崩壊」
NEWSポストセブン
アメリカでは大谷も関わっていたと根拠もない陰謀論が騒ぎを立てた(写真/AFLO)
大谷翔平、アメリカ国内でくすぶる「一平は身代わりだ!」の根拠なき陰謀論 水原一平被告の“大幅減刑”に違和感を覚えた人々が騒ぎ立てたか
女性セブン
フジテレビのドラマ出演を断ったと報じられた菅田将暉
菅田将暉、フジのドラマ出演を断った報道の真相 降板は未決定か、一緒にドラマ作ってきた現場スタッフへの思い抱く
女性セブン
映画の撮影中、酸欠で意識を失っていたことを明かしたトム・クルーズ(Xより)
トム・クルーズ(62)映画撮影でついに“気絶”! 海中シーンでは「自分で吐き出した息を吸い呼吸」 26歳年下恋人も尊敬する“驚くべきヤバさ”
NEWSポストセブン
同じ少年野球チームに所属していた田中将大(左)と坂本勇人
田中将大と坂本勇人、24年ぶりにチームメイトになった2人の“野球観の違い”を少年野球時代の監督が明かす「とにかく張り合っていて、仲良くしていた記憶がありません」
週刊ポスト
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
《遺体が変わり果てている…》田村瑠奈被告の頭部損壊で遺族は“最後の対面”叶わず 父・修被告の弁護側は全面無罪を主張【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
歌手・岡田奈々が45年ぶりにステージへ復活
【伝説の美少女】女優・岡田奈々「45年ぶりの生歌唱」に挑戦か 「自分の部屋で『青春の坂道』を歌っています」
週刊ポスト
ハトを虐待する男(時事通信)
〈私の力は強烈すぎて鳥の大腸を破裂させてしまう〉動物愛護法違反で逮捕された“ハトマスク男” 辻博容疑者(49)の虐待実態「羽をむしり解体」「音楽に合わせて殴打」
NEWSポストセブン
熱愛が明らかになった
【熱愛スクープ】柄本時生、女優・さとうほなみと同棲中 『ゲスの極み乙女』ではドラマーとして活動、兄・柄本佑と恋人役で共演 “離婚を経験”という共通点も
女性セブン
終始心配した様子の桐山照史
WEST.桐山照史&狩野舞子、大はしゃぎのハネムーンを空港出発ロビーで目撃 “時折顔を寄せ合い楽しそうにおしゃべり”狩野は航空券をなくして大騒ぎ
女性セブン
徳永英明の息子「レイニ」が歌手としてメジャーデビューしていた
徳永英明、名曲の名を授けた息子「レイニ」が歌手になっていた “小栗旬の秘蔵っ子”の呼び声高く、モデル・俳優としても活躍
女性セブン