不倫疑惑のスキャンダル報道で厳しい戦いを余儀なくされるも、10月の衆院選で当選した山尾志桜里議員(43才)。菅義偉官房長官の定例会見で積極的な質問を繰り返し、政権支持者から容赦ないバッシングを浴びても、ひるまずに質問を投げかける東京新聞の望月衣塑子記者(42才)。この2人は、東京学芸大学附属大泉中・東京学芸大学附属高の先輩後輩である。そんな2人の緊急対談が実現した。
山尾議員は2016年2月「保育園落ちた日本死ね!!!」との匿名ブログを国会で取り上げて以降、待機児童問題の解消に心血を注ぐ。望月記者も6才と4才の子を持つ母親として子育てをめぐる問題に敏感だ。
山尾:永田町では、“子育て世代は選挙にいかない”が常識でした。でも私は、今回の選挙で新興住宅地や子育て世代の多い地域を回りました。すると、演説をマンションのベランダで聞いていたお母さんやお父さんたちが子供の手を引いて外に出てきてくれて、『子供手当てがなくなったので3人目を産めない』『少子化対策と言いながら近所に産婦人科がない』など、具体的な課題を次々と口にされました。子育て世代は、いわば“社会の課題の塊”なんです。
望月:トランプ大統領の長女・イヴァンカさんが来日した際、安倍首相がイヴァンカさん関連の基金に57億円を拠出する約束をしたという報道があったので、11日、官房長官会見で『教育費無償化よりもイヴァンカ基金を優先するのか』と尋ねたら、菅さんは『イヴァンカ基金なんてありません。事実に基づいて質問して』とキレた(苦笑)。ならば、“イヴァンカさんが設立に関与した世界銀行の基金”と言えばよかったのでしょうか。またも言葉尻だけで質問をはぐらかされました。
政府が基金に一般会計から14億円を拠出しようとしていることは事実です。今回のトランプ氏の来日では米国製の武器購入を迫られるなど、本来は子育てに使える国民のお金が“アメリカのために使われる”との疑問が拭えません。