角界が揺れる中、「謎のスー女」こと相撲女子の尾崎しのぶ氏が、相撲コラムを週刊ポストで執筆中。今回は、10月の国体で3位になり、角界入りが決まっているスガラグチャー・ビャンバスレンについて尾崎氏が綴る。
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十月、第七十二回国民体育大会相撲競技会が愛媛で行われた。少年団体の部では、埼玉栄高校の相撲部員で構成された埼玉県が優勝。少年個人は、そのメンバーである納谷幸之介が優勝した。
以前もこの欄で書いたが、納谷幸之介は大鵬の孫であり貴闘力の三男である。貴闘力の現役時代の身長は百八十二センチ(大型力士が多かったこともあり百七十五センチくらいに見えていた)。しかし婚約会見の写真では貴闘力より十センチは高身長に見える大鵬の御息女・美絵子さんの素質が大きいようで、納谷幸之介は高校三年生の現在百九十センチ、百六十キロの堂々たる体躯を持つ。
インターハイで高校横綱を逃していた夏頃には十一月の九州場所で初土俵を踏むのではないかと記事にされていたが、四股やすり足など基礎運動にはげんだ結果リベンジを果たした。この優勝で十二月に行われる全日本相撲選手権大会への出場資格を獲得。納谷は「大学生にどのくらい力が通じるのか試したい」と語っている。
もしベスト8に入れば三段目格付け出し(二〇一六年に全日本相撲選手権、全国学生選手権、全日本実業団選手権、国体成年個人のいずれかでベスト8であればと制定された)、優勝すれば幕下十五枚目格付け出しの可能性もある。どちらにしても高校生では史上初。仮に力が通じず入賞しなかったとしても、貴重な経験となるだろう。