「働き方改革」は、政府だけの命題ではない。働く人すべてにとって必要なことだ。経営コンサルタントの大前研一氏が、すべての働く人にとってオススメの働き方改革、仕事のダイエットについて解説する。
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私はこれまで、ビジネスの現場を知らない政治家と役人が進める安倍政権の「働き方改革」は、むしろ効率の悪い人材の温存を謳っているだけで実効性がない、と批判してきた。
とはいえ、自分なりに「働き方」を改革していくことは極めて重要だ。とくに40歳を過ぎたら、今後の身の処し方も含め、自分の仕事のやり方を根本的に見直すべきである。たとえ定年が65歳や70歳に延びたとしても、40歳以降の20年以上も漫然と同じことをやっていたら、自分にも会社にもプラスにはならないからだ。
まず取り組むべきは自分の時間を有効活用するための仕事の“ダイエット”だ。
生身の肉体の場合、30代までは何をどれだけ食べても胃もたれはしないし、さほど体脂肪も増えないので、なるべくいろいろなものを食べて栄養を摂取すべきである。それが血となり、肉となるからだ。しかし、40歳を過ぎると、次第に代謝が悪くなり、どんどん脂肪や贅肉がつくようになる。
仕事もそれと同じで、40代以上は知らず知らずのうちに脂肪や贅肉(=無駄な仕事)が増えているから、ダイエットが必要なのである。