「人間国宝」「世界遺産」──本誌『週刊ポスト』がそう形容してきた日本ハム・大谷翔平(23)が、驚くほど格安で“輸出”されようとしている。昨年12月に導入されたメジャーの新労使協定によって、25歳未満の外国人選手と球団の契約金の総額が限定され、年俸に関しても3年目までは54万5000ドル(約6000万円)以下に抑えられるからだ。不利な条件でも大谷がメジャー挑戦へ突き進んだのは、「二刀流」実現のためだ。契約交渉でも大きなテーマになる。
大谷の交渉を引き受けるのは、大物代理人として知られるネズ・バレロ氏だ。
「バレロ氏は大谷が年俸調停権を得る4年目以降を見越して動いている。ドジャースの左腕エース・カーショーも2011年オフに年俸調停権を獲得し、年俸は50万ドル(約5500万円)から750万ドル(約8億2500万円)にハネ上がった。同じことは大谷にも起こりうるため、契約金、年俸に上限があっても資金が潤沢な球団が有力だろう」(スポーツジャーナリスト)
となると、名前が上がる球団はあの名門だ。MLB研究家の福島良一氏がいう。
「ヤンキースは資金面だけでなく、チーム編成でも条件にバッチリ合う。DH制のあるア・リーグで、今季の補強ポイントは先発とDH。大谷1人でどちらも賄える可能性がある。
ただしメジャーでは日本人選手の“投高打低”のイメージが定着している。特にヤンキースやドジャースなど強豪チームは、あくまで大谷を先発の一角として考えているので、中4日のローテーションを守り、期待に応える登板をしたうえで余力があると判断されれば、時々DHや代打でチャンスを与えるという起用だろう。中4日を中6日、中8日にするなど、“打者・大谷”のために特別なローテーションを組むことは考えにくい」