漫然と同じことを繰り返すような仕事のやり方では、自分にも会社にとってもプラスにならない。経営コンサルタントの大前研一氏が提唱するのは、時間を有効活用するための仕事のダイエットと、脳の筋トレだ。大前流の脳の筋トレ、知的なチャレンジとは何をすることなのか、同氏が解説する。
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取り組むべきは「脳の筋トレ」、すなわち知的なチャレンジである。そのための一つの方法は、常に緊張して仕事をしなければならない環境、会社に貢献しなければならない環境に自分を追い込むことだ。
私自身、マッキンゼー時代の常務会では、事前に確たる意見を持っていなくても、必ずその場で論理的に考えをまとめて手を挙げ、それまでの議論に反対したり、新たな提案をしたりしていた。そうすると、他の常務から反発を受けるので緊張するし、自分の意見を通すにはどう説得すればいいか必死で考えざるを得なくなる。
さらに、大前の言うことには一理あるな、あいつの意見は聞いておこう、と相手に強く印象づけることもできる。そういう「脳の筋トレ」を繰り返していないと、グローバルビジネスの厳しい競争の中で、世界の俊英たちと伍していくことなどできないのである。
一方、自分の成果や自分の部署の業績しか考えていない人は「ローカル・キング」と呼ばれ、グローバル企業では経営トップになれない。全社的な視野がないために脳が盲腸化し、ひいてはその社員や部署そのものが、会社の中で盲腸化するケースが多いからだ。