角界を揺るがす「暴行事件」のきっかけは、同郷の大先輩である横綱・日馬富士の説教中に、平幕の貴ノ岩がスマートフォンを操作したことだったと伝えられている。
もちろん暴力は許されないが、たしかに“そういう若いヤツ”は増えている気がする。平然と「スマホいじり」を続ける若者への適切な対処法とは──。
仕事帰りの居酒屋で、部下のミスについて、時に優しく慰めながら指導の言葉を並べていたら……部下の視線はテーブルの下のスマホに向いていた──。そんな状況に出くわした時、“オトナ”はどう振る舞うべきか。
ウェブを駆使した新しいジャーナリズムの実践者で、若者文化に詳しい津田大介氏(44)は、大学の授業では「スマホもパソコンもむしろ歓迎」としながら、意外なことに「許せない派の気持ちもわかる」とした。
「会話中のスマホに不快感を覚えるのは、話が真面目に聞かれてないと感じて、“俺の話はつまらないのか”と思ってしまうから」
その上で、こう話すのだ。
「でも、相手がメモ帳でメモをしていたら印象は違いますよね。僕自身、人の話を聞いてその場でスマホにメモしたり、話題に関連することを検索して別の話に発展させたりもする。スマホいじりに目くじらを立てるより、話題につなげた方が建設的かなと思います」(津田氏)