角界が揺れる中、「謎のスー女」こと相撲女子の尾崎しのぶ氏が、相撲コラムを週刊ポストで執筆中。今回は、BSの番組で軽妙なトークを披露している朝日山親方(元関脇・琴錦)について、尾崎氏がつづる。
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BSフジ『大相撲がっぷり総見』。朝日山親方と唐橋ユミのたのしい掛け合い、細かい説明が勉強になるので大好きな番組だ。
弟子不足に悩まされていた朝日山部屋。以前から勧誘していた少年達にはことごとく振られたが、追うのをやめてみたところかえって志願者が来るようになったそうで現在は六名になり来年は三、四名入門予定者がいるという。今どきの少年には、古い兄弟子がいないぶんのびのび過ごせる朝日山部屋が選ばれるのかもしれない。
九月場所、枝川親方が体調不良のため、朝日山親方が審判を務めた(紋付きが採寸して作ったのにもかかわらず大きすぎて座ると襟元が浮いてしまい、テレビを見た呉服業の知人から『みっともない』と指摘されたそうだ)。そのことから十一月場所前の放送では「審判のお仕事とは?」とのQ&Aコーナーがあった。
「自分の担当時間に会場入りすればいい」は×。十両と幕内の取組を編成する会議が毎日十一時より行われるので、自分の担当する取組が遅かったとしても十一時までには必ず入っておかなければならないとのこと。
十両と幕内前半・後半の三部は基本的に審判部が全員で審判する。それに加えて幕下以下の取組でも一日一回は審判をするので一日に二回審判をすることになる。それにあてはまらないケースとして朝日山親方が挙げたことが、私には興味深かった。