ついに横綱・日馬富士(33才)の引退にまで発展した暴行事件。事が起きたのは、10月25日の夜だった。巡業先の鳥取にあるカラオケラウンジで日馬富士は、モンゴル出身の後輩力士・貴ノ岩(27才)を殴打し、けがを負わせたのだ。
貴ノ岩の師匠である貴乃花親方(45才)は事件の4日後、鳥取県警に被害届を提出。そこから2週間後にスポーツ紙が事件を報じ、日馬富士は九州場所を休場した。
九州場所千秋楽の2日後の朝、東京の自宅前で慌ただしく荷物を車に積み込む貴乃花親方の夫人・景子さん(53才)の姿があった。グレーのタートルニットに、黒い細身のパンツ、黒い低めのヒールのショートブーツ。肩までの栗色の髪がふわりと揺れる。
──おかみさん、騒動についておうかがいしたいのですが。
「すいませんね、ごめんなさいね。何も言えないんですよ…」
本誌・女性セブンの直撃に、口元には柔らかい笑みを浮かべつつ、困ったように眉毛を下げ、自宅に入っていった。
「連日の報道は本筋とずれている気がします」「たくさんお話ししたいことはありますが、警察にも言われており、コメントは控えております」。暴行問題で角界が揺れる11月23日、景子さんは愛媛県西予市で行った講演でキッパリとこう話した。
「被害者である貴ノ岩や、貴乃花親方をバッシングする報道に一言モノを申したかったのでしょう。見ての通り親方はまっすぐ頑固一徹。だから景子夫人が親方に上からモノを言うことはありません。でも、親方の手綱を握れるのは、8才年上の才媛の景子夫人ただ1人。親方を裏で支え、相撲改革の旗手、理事長候補へと導いているともっぱらの評判です。マスコミの報道では親方は味方もおらず孤軍奮闘で、景子夫人も肩身の狭い思いをしていそうですが、実際は違う。イザとなったら景子夫人につくというおかみさんたちは意外にも多いんです」(後援会関係者)
◆“おかみの会”の中心に存在
景子さんのおかみさんとしての手腕は実際、「さすが!」といったところ。3人の子育てをしながらも、若手力士の精神的ケア、親方のスケジュール管理やタニマチとのつきあい、お礼状を欠かさないなどの、おかみさんの仕事は完璧。その上で、「笑顔の子育て術」「相撲と日本人の心」「心を掴むコミュニケーション術」などさまざまなテーマで日本各地で講演。1か月で10本以上こなすことも。貴乃花親方が打ち出す「和装デイ」やサイン会といった思い切ったファンサービスは、景子さんのきめ細かい女性目線のアイディアだといわれる。