馬が地面を蹴る音にスマホのカメラ画面から視線を外すと、目に映るのは優雅な装束の貴族や楽人たち、神輿を担ぐ神職たちの厳かな列、そして馬に跨る武将たちの姿…総勢約2000人、長さ約2kmにも及ぶ行列が紅葉色づく京都の街を練り歩く。春の葵祭、夏の祇園祭と並び「京都三大祭」の1つに数えられる秋の時代祭の“人間歴史絵巻”パレードは、京都御所からスタートする。
794年の平安京遷都から明治2年(1869)に東京に移るまで千年以上、京都は日本の都であり続けた。
「天皇陛下の生前退位をめぐっては、退位の時期とともに退位後のお住まいにも注目が集まりましたが、京都御所もその候補の1つに挙がっています。なにしろ京都御所は長く歴代天皇が儀式や政務を執り行っていただけではなく、居住されていた場所ですからね」(皇室記者)
鎌倉時代に今の場所に移り、室町時代に建物が拡張。現在の建物は安政2年(1855)に造営されたものだ。
敷地内には重要な儀式を執り行う紫宸殿や天皇の日常のお住まいとされた御堂御殿(おつねごてん)などの建物や庭が並ぶ。
「京都の人たちの中には“お上(天皇)の本来のお住まいは京都で、今は東京の皇居に出張されているだけ”という考えを持つ人もいて、“重責を終えられて上皇になられた後は、京都でゆっくりお過ごしいただきたい”と、京都にお帰りいただくことへの期待は非常に強いようです」(前出・皇室記者)
昨秋にも美智子さまの傘寿のお祝いで両陛下が京都御所を訪れるなど、皇族と極めて縁の深い場所なのだ。
そんな京都御所でとんでもない事件が発生していた。
◆女性警察官が求められる職場だった
「11月中旬のことです。敷地内にある建物の中の女子更衣室から、『隠しカメラ』が見つかりました。盗撮されているのではないかと、密かに調査が行われたそうです」(京都府警関係者)