角居厩舎の情報収集力は?
競馬の世界もいよいよ年内最後の開催となり、リーディング争いなども注目を集めている。常にトップを狙う角居厩舎は、チーム力を結集して暮れの闘いに臨む。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、厩舎の情報力についてお届けする。
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前回は厩舎からの情報発信、アウトプットについて書きましたが、今回はインプット。情報の収集です。
厩舎の馬をどのレースに出すか。その馬にどのジョッキーを載せるか。レースに勝つための最善の選択をしたい。それには情報収集が欠かせません。
レースが終わった瞬間から「次はどうしようか」と考えます。たとえば下級条件の場合、着外で優先出走権がとれなかった時、どのレースなら出られそうなのか、情報を集めなければならない。JRAには競馬の実績表があり、通年のデータが得られます。この馬は北海道シリーズが終わったら、どの500万条件ならば出られそうなのかなどなど……そういうことが見えてくる。もちろん出入りの新聞記者から情報を聞くこともある。
調子がよくてすぐに使いたいと思ったときは、距離を少し変えてみたり、芝からダートにしてみたり、ときに遠征していったりすることもあります。
前走レース後のジョッキーが「左回りのほうがいい」と言ったのなら、そこから次の選択レースを予想することもある。同じジョッキーにうちの馬の鞍上を任せたければ、スケジュールを見越して早めに動かなければいけません。
目標のレースが早く決まれば、それに向けての調整もスムーズにいきます。馬主さんも予定を立てやすくなる。