2019年4月30日深夜。テレビ各局は民放一局を除き、「平成」を振り返る特番を放送し続けた。午前0時が近づくとカウントダウンが始まり、新しい時代の到来を告げる時報とともに、画面いっぱいに新元号の名が映し出される。そんなふうに、新しい天皇が即位する日はやってくることになりそうだ──。
〈2019年4月30日退位、5月1日即位・改元〉
今上天皇の退位日程を議論する「皇室会議」(12月1日)の前から、大手メディアはそう報じ始めた。正式な日程は12月上旬に閣議決定される予定で、いよいよ新元号発布の日が確定する。
“その日”の皇室行事について、皇室ジャーナリストの山下晋司氏は、「平成の即位を踏襲することになるでしょう」と説明する。
「即位当日に三種の神器のうち剣と璽(じ)、それに国璽と御璽を新天皇が継承する『剣璽等承継の儀』が皇居で行なわれます。その後の新天皇陛下が首相らにお言葉を述べる『即位後朝見の儀』も、即位当日に行なわれるかもしれません。
前回は昭和天皇の喪が明けたのち、即位から約2年後の1990年11月に外国元首らを招いて『即位礼正殿の儀』が行なわれましたが、スケジュールは違ったものになってくるかもしれません」
昭和天皇が崩御した1989年1月7日は日本中が自粛ムードに包まれ、全国高校ラグビー大会の決勝が試合を行なわずに両校優勝になるなど、各種イベントが軒並み中止になった。