痛みが生じたり、息切れや倦怠感が出るようになってからではもう遅い。実は、手遅れになるまえに体は“警告”を発している。それが如実に表われるのが「おしっこ」だ。
排尿は毎日必ずするものだからこそ、色や臭い、出方の変化を細やかに知ることができる。日本医科大学付属病院泌尿器科部長の近藤幸尋医師は「尿は自分の健康状態を知るための重要なバロメーターです」と語る。
「尿は全身を循環する血液が元になっているため、全身の健康状態の情報が詰まっています。尿を調べることは、どんな病気に罹患しているのかを知る重要な手がかりとなります」(近藤医師)
血液検査も病気の予兆や進行をつかむうえで非常に有効だが、病院に行って採血して検査しない限りわからない。一方、尿の場合、毎日、自分でその変化を“観察”できる。
「詳細に調べるには採取した尿を専門の機関で検査する必要がありますが、自分で尿の状態を観察するだけでも、重大な疾病の“予兆”に気づけるケースは存在します。
普段の尿の量や回数を把握しておき、日々の変化を確認することが重要です。異常に気づいたらすぐに医師を受診する。それにより、取り返しの付かない事態を避けることができるのです」(同前)
ではおしっこがどんな状態なら病気の予兆なのか。