北朝鮮がどれだけミサイルを発射し、日米だけでなく中国も加わって、国際社会が北朝鮮への批判をするなか、韓国の文在寅大統領だけは対話を呼びかけ、融和政策を変えようとしない。そのために反日政策を続け、ついに慰安婦記念日まで制定する始末。評論家・ジャーナリストの室谷克実氏が、文在寅政権がなぜ、理屈にあわない反日と親北政策を続けるのかについて解説する。
* * *
多くの日本人は、「北朝鮮の核問題で団結する必要があるのに、なぜ韓国は執拗に反日政策を進めるのか」と疑問に思うだろう。
だが、ゴリゴリの従北・反日主義者の文在寅氏にすれば理にかなった行動だ。彼の最終ゴールは「北との統一」である。そのために反日を煽って韓国人の民族感情を高揚させて日韓が離反することを目論む。
青瓦台には、政権ナンバー2にあたる大統領秘書室長・任鍾ソク氏の下に首席秘書官と秘書官合わせて26人いるが、そのうち任氏を含めた10人が過激な左翼学生運動の出身者だ。すべての関係が「上下」である韓国社会では「上司に忠実に仕えて出世する」ことしか価値判断の基準がなく、「上の人」である学生運動出身者の“反日色”を忖度した政策が進められる。
強力な反日シフトのなか、文政権の従北・反日政策は今後も続く。慰安婦問題はすでに再燃しているが、映画『軍艦島』に代表される戦時中の徴用工問題でも裁判所が世論におもねり、日本企業に賠償金を命じる判決が出る可能性が高い。
一方で世界が北朝鮮に制裁を加えようとするなか、文政権は北へ800万ドル(約9億円)の人道支援を決定し、開城工業団地の再開を検討するといった優遇路線を突き進む。文在寅は韓国経済を意図的に破壊して北朝鮮との同質化を計り、ゆくゆくは北朝鮮に呑み込まれようという算段だ。