48作品を一挙公開する「大映女優祭」が12月9日~1月12日に角川シネマ新宿で開催される。伝説の映画人を輩出した映画会社・大映の創立75周年を記念し、“三大女優”と呼ばれた京マチ子、若尾文子、山本富士子らの傑作が特別公開される。
京マチ子(93)は色気と風格を兼ね備え、大映三大看板女優のトップに君臨した。大阪松竹歌劇団で人気のダンサーとして活躍していた頃に、その魅力的なマスクとグラマラスな肉体を買われて映画界からスカウト。1949年に上京して大映に入社した。
デビュー後まもなくして、米アカデミー賞最優秀外国語映画賞、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した黒澤明監督の『羅生門』(1950年)を皮切りに、溝口健二監督の『雨月物語』(1953年)、衣笠貞之助監督の『地獄門』(1953年)などの大作に出演。これら出演作が相次いで海外の映画祭で高い評価を受けたことから、「グランプリ女優」と呼ばれるようになる。
世界的にも注目され、大映協力の下で撮影されたハリウッド映画でマーロン・ブランドと共演を果たし、ゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネートされた。1971年に大映が倒産すると、テレビや舞台に活躍の場を移した。生涯独身を貫いている。