芸能

フジ『ザ・ノンフィクション』ナレーター・平泉成の矜持

平泉成がナレーションという仕事への思いを語る

 硬軟織り交ぜたテーマを取り上げるドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系、日曜14時~)は、1995年10月から続く長寿番組だ。番組開始当時から、同番組のナレーターとしてたびたび番組に関わってきた俳優の平泉成が、ナレーションの仕事で心がけていること、矜持について語った。

 * * *
『ザ・ノンフィクション』のナレーションをする際は特に、制作側がその作品を通じて何を伝えたいのかを間違えないように心がけています。1年、あるいはそれ以上の時間をかけて撮った映像に、僕が声を入れて終わるわけですから、番組をベストな形に仕上げられる表現方法を毎回探っています。

 収録前日までに、映像を見て原稿をしっかりチェックします。基本は書いてあるとおりに読みますが、ナレーションは微妙な間や雰囲気が大事。実際に語ってみた時に“生きた言葉”になるよう、句読点の場所や抑揚の付け方を変えて何度も口に出してみて、よりよい方に修正していきます。

 番組には主人公となる人と、その家族や知人など、様々な方が登場します。それぞれの気持ちを汲みながら、主人公に対して好感を持って話すのか、それとも突き放して話すのか、客観的に話すのか。どの表現がその作品に最もよく活きるか、そういうことも1行1行考えています。

◆感情を入れすぎて失敗することも

 原稿に書かれている文字を上手に話そうなんて、まったく思っていません。ただ、言葉に“ハート”を込めたいという思いを常に持っています。どのハートをそこに入れていくのかを毎回、試行錯誤しています。

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