この段階で学生たちは「ここまで世の中は進んでいたのか!」とカルチャーショックを受け、頭が混乱する。だから最初の3か月を乗り切るのが非常に大変なのだが、それを克服した学生はたいがい卒業まで行く。
一方、BBT大学に入学してくる学生の平均年齢は34歳だ。大学にも、「もし自分が○○の社長だったら」という想定で実在する企業の問題解決策を考えるRTOCS(リアルタイム・オンライン・ケーススタディ)や経理・財務、ICT(情報通信技術)など大学院と共通のカリキュラムがあるが、こちらは卒業まで4年間あるので、とくに英語力を相当なレベルまで引き上げることを重視している。
大学も大学院も、途中で挫折する人は、だいたいこういう言い訳をする。「財務や語学は苦手」「仕事が忙しい」「接客業だからICTは関係ない」──。新しいことにチャレンジする前に自分の行動を抑制してしまう「メンタルブロック」をかけているのである。
とくに中高年の多くは、その業界に長くいるために、同業他社しか見ていない。たとえば百貨店業界なら、三越伊勢丹の人は高島屋や大丸のことばかり気にしている。だが、実は百貨店は業界全体がゾゾタウン、バイマ、メルカリ、東京ガールズコレクション、アマゾン、ヤフー、楽天などのeコマースに顧客を奪われている。いくら同業他社の動向を分析・研究しても自社の将来像は描けないのだ。
だからBBT大学・大学院では、自分の会社の業界以外の業界のことやeコマース、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などのICTを勉強させる。そうすると、今までとは全く違う指向性のアンテナが出てきて、2年目には自ずと世の中に対して360度のアンテナを張れるようになるのだ。