大相撲冬巡業の一行に貴乃花親方の姿はない。日馬富士事件への対応を理由に巡業部長であるにもかかわらず帯同を外されたのだ。そんな状況の中、巡業先で存在感を増すのは横綱・白鵬だ。
巡業に先立って「貴乃花親方が行くのなら、冬巡業には行きたくない」と八角理事長に直訴し、その“要望”が結果として実現。
「気をよくしたのか、巡業初日、朝稽古後に風呂からあがった白鵬が羽織ったのは『モンゴリアンチーム』と印字されたジャージ。モンゴル力士の集まりで事件を起こしながら当てつけのような行動で、貴乃花親方への“勝利宣言”とみられています」(後援会関係者)
両者の溝も埋めがたいものとなっている。11月30日に公表された協会の危機管理委員会の中間報告では「モンゴル人力士会」の存在が明らかになった。会費を集め、ケガをした力士の見舞金や冠婚葬祭の費用などに充てる“生活互助会”の存在を認めた報告は、関係者を驚かせた。
「馴れ合いが生まれるとガチンコでぶつかり合えなくなるという理由で、他の部屋の力士との交流を禁じる貴乃花親方の考え方からすれば、互助会なんて認められるはずがない。貴乃花親方の考えは、伯父にあたる二子山親方(初代・若乃花)、その弟子で父である貴ノ花から受け継いできたもの。その信念は絶対に譲れないものだ」(協会関係者)
そうして執行部とも、白鵬とも対立を深める貴乃花親方には、20日の理事会で「理事からの二階級降格といった重い処分が検討されている」(同前)状況だ。
そうまでして“貴乃花潰し”が徹底されるのは、来年の初場所後に理事改選が控えているからである。