来年6月14日開幕のサッカーW杯ロシア大会の組み合わせ抽選結果を受け、スポーツ紙には〈優勝経験国不在〉〈死のF組免れた〉〈ハリルのH組は幸運〉といった見出しが並んだ。たしかにH組はコロンビア、セネガル、ポーランドとの対戦となり、8組ある1次リーグのなかで唯一、優勝経験国がいない。
韓国が前回優勝のドイツ、欧州予選のプレーオフでイタリアに勝ったスウェーデン、北中米カリブ海予選1位通過のメキシコと同じ“死のF組”に入ったのと比べれば、恵まれているように見える。ただ、H組には「隠れた強敵」がいるという。
「コロンビアとの初戦が行なわれるロシア中部のサランスクから、5日後にセネガルとの第2戦があるエカテリンブルクまで約1000km。そこから4日後のポーランド戦の会場があるボルゴグラードまでは約1400kmあり、約1週間で計2400km移動です。途中でキャンプ地に戻れば、移動はさらに長くなる。東京―大阪間が約400kmですから、かなり過酷だ。
この移動距離はH組のなかで最も長く、最短となるコロンビアの約600kmの4倍。H組は強豪国の負担が軽く、最も格下の日本が一番厳しい日程を強いられる組なのです」(スポーツ紙デスク)
長距離移動について、日本代表には苦い思い出がある。1次リーグ敗退となった前回のブラジルW杯では、大会後の会見で日本サッカー協会の原博実・専務理事が、過酷な移動で選手のコンディションが崩れたことに言及。キャンプ地と試合会場が離れていたことについて、「距離が遠くて移動が大変だという話が出たのは事実」と唇を噛んだ。