今や富裕層だけではなく、一般家庭にも降りかかる相続税。税務署から通達された通りに払うしかないと思ってはいけない。なぜなら、相続税を支払った人の多くは“過払い”の可能性があるからだ。
そうした過払い金を取り戻してきた“還付金請負人”が、余計に払わなくて済む申告方法を指南する。
相続財産に占める「土地」の割合は約4割で、最も大きいウエイトを占める。不動産鑑定士と税理士から組織される「フジ総合グループ」は相続税に特化した専門事務所だ。同グループ代表の藤宮浩氏(不動産鑑定士)が言う。
「土地評価には様々な“減額ポイント”が存在しますが、相続税に明るくない税理士は見逃しがちです。また、現地調査や役所調査をしないと気付けない減額要因は、特に見落としが起こりやすい。
土地評価額を高く見積もって申告してしまうと、過払いとなってしまう。一度相続税を納めた後で、土地評価額に納得がいかなかったり、“減額ポイント”の存在を知った人からの問い合わせが増えています」
一度納めた相続税は5年以内であれば更正の請求(還付手続き)が可能だが、年間400件を超える相続税還付案件を手掛ける藤宮氏によると、相談者の約7割が相続税を納めすぎていると判定されるという。
「それだけ相続時の土地評価額が適正でないケースが多いということ。それは、土地評価に精通した税理士が極めて少ないからです」(同前)