高血圧になるのを防ぐには塩分を控えるというのが多くの日本人が信じる定説だった。だが、いま、その定説を覆す新たな理論が注目を集めている。『脳梗塞・心筋梗塞は予知できる』の著者で、循環器に詳しい真島消化器クリニック院長の真島康雄医師は、こう解説する。
「高血圧をもたらすのは塩分ではなく、血管に溜まったプラークです。プラークとは脂肪の塊のことで、日本語では『粥腫(じゅくしゅ)』と呼ばれ、その名の通りお粥のようにドロドロしています。これが溜まって血管の内側が狭くなるから、そこを流れる血液の圧力が高まる。実にシンプルな理屈です」
つまり、この説明によると「高血圧の原因は脂肪」ということになる。世界的にも塩犯人説を覆す研究結果が数多く発表される中、なぜ日本の医学界は、「塩分犯人説」に固執するのだろうか。その背景には、「降圧剤利権」の存在があるとされる。
◆「脂肪より塩」だと都合がいい?
「製薬会社や医師会など高血圧によって利権を得る集団は欧米で『高血圧マフィア』と呼ばれ、高血圧の基準値が下げられるような強烈なロビー活動などを続けてきました。日本でも既得権に固執する勢力が大きな影響力をふるっています」(大櫛医学情報研究所所長で東海大学名誉教授の大櫛陽一氏)
彼らにとっては、“塩分犯人説”のほうが都合が良い。前出・真島医師はこう見る。
「体重を減らして血管中のプラークを除けば、確実に血圧が下がることは私が多くの患者を診てきたなかでもあきらかです。しかし、そうして高血圧患者が減ると、高血圧市場が縮小するため、塩分を犯人に仕立てている」