二階俊博・自民党幹事長は安倍晋三氏、小泉純一郎氏、小沢一郎氏、小池百合子氏ら政治的には敵味方の関係にあったアクとクセの強い権力者たちに重宝され、政界の実力者へと上り詰めた。“将来の首相候補”小泉進次郎氏さえ、いまや二階氏の側にいる。作家・大下英治氏がインタビューした。
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二階氏の気配りの根底にあるのは、権力者のタイプを嗅ぎ分ける力だ。小泉純一郎氏には“仕事ぶり”で評価されたが、安倍首相には全く違うアプローチをとった。
一昨年の総裁選の前には巻紙に「安倍再選を支持する」という二階派全員の連判状を用意して首相に手渡し、来年の総裁選に向けては「安倍の次は安倍」と述べ、党則を改正して三選可能なルールづくりを主導し、政権を支えるという“忠誠心”を前面に押し出した。
──支える側から見て、安倍首相と小泉元首相はどこが違うのか。
「安倍総理の場合、僕は『支えてあげよう』という“母性本能”を感じるんですよ。人が良いし、品がある。顔からにじみ出てるでしょ? なかなか一代の叩き上げでは醸し出せない雰囲気です。政治的な遺伝子による部分もあるのでしょう。その点、小泉さんは強すぎたから、みんなが『支えてあげたい』と思うタイプではありませんでした」
安倍首相や小泉父子といった時の権力者や実力者が二階氏を側に置きたがる。絶対的なリーダーシップを持つ人々から重用されるのはなぜだと思うか。そう問うと目を見開いて即答した。
「そりゃ私が無口だからですよ! いろんなことを勝手に喋らないから信用されるんです」