2017年を振り返れば、多くの人が旅立った。彼らの活躍や生き様は、私たちの目に、心にしっかりと刻まれている。今年、惜しくも世を去った政治家・文化人の「在りし日」を紹介する。
●日野原重明さん(聖路加国際病院名誉院長、享年105)
民間病院で初となる人間ドックの開設や生活習慣病の周知など、予防医療の発展に尽力。小学生に命の大切さを説く「いのちの授業」のために全国を飛び回る一方、100歳を超えても現役の医師として診察を続けた。1970年、「よど号ハイジャック事件」に遭遇、人質となったことでも知られる。7月18日没。
●三浦朱門さん(作家、享年91)
1951年に『画鬼』で文壇デビュー、翌年『斧と馬丁』で芥川賞候補となる。妻・曽野綾子氏らとともに「第三の新人」として注目を集め、『箱庭』(1967年)で新潮社文学賞を受賞。文化育成に尽力し、民間人では2人目となる文化庁長官に就任。曽野氏との共著も数多く残した。2月3日没。
●鈴木清順さん(映画監督、享年93)
日活専属監督として『港の乾杯 勝利をわが手に』(1956年)でデビュー。宍戸錠主演の『殺しの烙印』が堀久作・日活社長の怒りを買い日活を退社。『ツィゴイネルワイゼン』(1980年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞、『陽炎座』『夢二』との3部作による映像表現は「清順美学」と呼ばれた。2月13日死去。