「Yahoo!検索大賞2017」の女優部門賞に吉岡里帆が選ばれた。検索大賞の概要をみると、「この一年間で、多くの国民に支持され、前年と比べ検索数がもっとも急上昇した人物、作品、製品に贈られる賞」とある。検索とは残酷な行為だ。その人やモノに対して好意や高評価をもたなくても検索はさかんになされる。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、女優・吉岡里帆の検索人気と、若手女優のドーナツ化現象についてつづる。
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担当編集Yは言った「いやぁ、再来年なにしてるか分からないですよ」
僕は言った「アナタに里帆のなにがわかるんですか!」
この不毛なやりとりが展開されたのが先日。
この「里帆」とは、女優の吉岡里帆。僕にとって2017年とは、誰彼構わず「吉岡里帆って知ってますか?」と熱弁した年であった。
今まで20人以上のメンズと吉岡里帆についてのトークセッションを重ねた。「キライ」と答える人は皆無で、全ての男性が「吉岡里帆がスキだ」と答える。
芸人の友人は「あの芋っぽい感じがいいよね」
編集者の知人は「手が届きそうな感じ」
と語った。「よくその顔で言えるな!」と思いつつも、分からなくもない里帆観。つまり、男性陣にとって吉岡とはそーいった存在なのである。
反対に、女性人気は低く「スキ」と答えた人はいない。「まぁ、かわいいよね」と話すが、その顔はブルー。執拗に聞けば「女として絶対に勝てないからヤダ」という本音も漏れる。前出の担当編集者Yも女性。「吉岡里帆はうすっぺらい」と繰り返していた。
吉岡里帆とは手が届きそうで届かない、男が求める「理想の彼女」を具現化した存在なんだ。
また、彼女の魅力は身体にも表れる。天真爛漫なルックスに、似合わないエロい肢体。豊穣な胸と白い肌、胸から腰にかけての曲線は芸術的である。指でなぞりたくなる微妙に割れた腹筋も芳しい。
雑誌のカバーを飾る吉岡里帆を見つけては購入するLife。僕は、彼女のページだけカットしスクラップブックを製作していた。
そんな最中の日曜日。
友人から「『ごめん、愛してる』見てる? 吉岡里帆ヤバイよ」とLINEが届く。
『ごめん、愛してる』とは2017年7月9日から9月17日までTBS系「日曜劇場」 で放送された恋愛ドラマ。主演はTOKIOの長瀬智也、そしてヒロインを演じたのは吉岡である。
里帆の本分が、グラビアではなく女優だとは知っていた。しかし、彼女の演技には全く興味がなく『あさが来た』『ゆとりですがなにか』『カルテット』といった出演作は一切見ていない。
「ナニがヤバイのか?」とチャンネルをTBSに合わせる。長瀬智也が病気で倒れるシーンが流れてた。「大丈夫?」と駆け寄る吉岡里帆。
ものの数秒で分かった、演技力がヤバイのである。しかも、良い方の「ヤバイ」ではなく「ヤバイ」ほどに低い。初見、冗談抜きで「芝居くさい演技が求められる」妄想シーンかと思ったほどに。
その後『ごめん、愛してる』を全話鑑賞。彼女の演技は総じてズレていた。見ている方が恥ずかしくなるほどに。
共演の池脇千鶴の演技がまた上手く、一緒に映るシーンの落差はパナいんだ。
続けざまに他の作品も鑑賞したが、優れた演者であるとは口が裂けても言えないレベル。現時点での演技力は、並以下だと思う。
しかし、吉岡里帆は誰よりも「演技論」を語るのが好き。