楽しみ方もいろいろ
季節と食事の関係は深い。日常的な食べ物となればコストも重要だ。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が指摘する。
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寒くなると温かい汁麺が食べたくなる。ラーメン、うどん、そば……。今年、冷凍食品メーカーのキンレイが「国麺調査」」と銘打って麺にまつわる調査をインターネット上で行った。「普段よく食べる麺の種類」調査で一位になったのはうどん(42.3%)、二位にラーメン(35.6%)。以下三位にそば(8.9%)、四位パスタ(7.6%)と続いていた。
実はこうした調査では、ラーメンが一位になることが多い。2007年にアサヒホールディングスの調査情報サイト「ハピ研(青山ハッピー研究所)」のアンケート調査(複数回答)でも「よく食べる麺類は?」という調査項目で一位になったのはラーメン(84.4%)、うどん・きしめん(73.4%)、パスタ(67.7%)、そば(59.6%)の順になっている。
今回、キンレイの「国麺調査」では他にもうどんにまつわる項目が多かったので、回答がうどんに寄ったきらいはありそうだが、いずれにせよ、うどんとラーメンが麺類における二大勢力という構図は動かない。
「国麺調査」で興味深かったのは、麺類全体の話よりも「うどん」にまつわる調査結果だった。例えば「普段、食べるうどんは1食あたりいくらくらい?」との質問に対してもっとも多かった回答は「300~500円未満」(37.1%)。以下「300円未満」(34.8%)、「500~800円未満」(23.1%)と続く。
実際、関西や四国のうどん店では、かけうどんなら一食あたり100円台で食べられる店も少なくない。
大阪・難波で”三大スタンドうどん”と言われるうどん店の「かけうどん」の価格を見てみると、「なんばうどん」170円、「松屋」180円、「天政」220円。天政がこの12月に全メニューを10円値上げしたが、店内には「12月1日(金)より全メニューを10円値上げさせていただきます。お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが御了承下さいませ」(原文ママ)という張り紙が店内に貼ってあった。
たった10円の値上げにすら、ここまで丁重な告知をする。さすが商人の町、大阪という趣だが、見方を変えれば関西圏におけるうどんはそれほど庶民の味として根ざしているということでもある。
「国麺調査」でもうどん一食あたりの金額500円未満が7割以上で、「800~1000円以上」はわずか5%。うどんはあくまでも日常にあるリーズナブルな麺類なのだ。