日本でのペット飼育について考えてみたい。一般的にどの家庭でも飼いやすい動物や、反対に、飼うには不向きだったり法律で禁止されている動物を紹介します。
飼いやすい動物について、みわエキゾチック動物病院院長・三輪泰嗣さんはこう話す。
「極論でいうと、大半の動物は、一般家庭での飼育に向いていません。しかし、犬猫やウサギ、モルモット、ハムスター、鳥類の中でも特にセキセイインコ、オカメインコなどはペットとしての歴史も古く、飼育環境・医学・餌などの研究も進んでいるので、一般家庭でも飼いやすいといわれています」
また最近では、ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)、通称“レオパ”というヤモリの仲間をはじめ、飼いやすいよう品種改良された生き物もおり、こういった、ペットとして“作りだされた”ものなら、比較的飼いやすいという。
レオパは人工的に繁殖もしやすく、黄色やオレンジなどカラフルなため、女性にも人気が高い。人と接することにストレスをあまり感じず、飼いやすい爬虫類。女優の新垣結衣も飼っていることから有名に。
「ペットにとっては、飼い主が与えた環境がすべて。本来自然の中にいる動物を、人の都合で飼うのだから、情報を集め、個々に合った飼育環境を整えることは、飼い主の責務といえます」(三輪さん)
よく耳にする『ワシントン条約』は、絶滅の恐れがある種を保護するための国際取引管理にかかわる条約で、国内の譲渡規制・飼育規制を行うものではない。日本では、独自の法律上飼ってはいけない動物や飼育に届け出が必要な動物が定められている。
例えば、日本に入ってくることで生態系や人の生命・身体・農林生産業に被害が生じる恐れがある生物に対して規制する『外来生物法』により飼うことが禁止されている動物も。それが、アライグマ、タイリクモモンガ、タイワンリス、ウシガエルなどだ。もし飼育した場合、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科せられる。
また、『動物愛護管理法』によると、トラ、タカ、ワニ、マムシなどの約650種は、飼育の際、都道府県知事または政令市の長の許可が必要となる。
一定の基準を満たした施設での飼養保管や逃走を防止するため、定期的な施設の点検などが義務づけられている。もしこれらが守られなかった場合は、認可取り消しなどの措置があり、無許可で飼育した場合は、6か月以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金が科せられる。
※女性セブン2018年1月1日号