2008年にはラミレス、グライシンガー、クルーンの3選手をセ・リーグのライバル球団から奪い、日本一に輝いて以降、巨人は育成にも力を入れるようになった。松本哲也や山口鉄也という育成選手枠から新人王を生み出し、優勝もした。しかし、ここ数年で2000年代のような補強に戻ってしまった印象だ。
「スカウトが見出してきた日本球界が初めての外国人なら、野球ファンもまだ納得できる。中日が発掘して本塁打王になったゲレーロを奪うから、他球団のファンからも批判の声が挙がるんです。
マギーも2013年に楽天を日本一に導いた選手だし、巨人の外国人補強にはオリジナリティを感じない。FAだけでなく、外国人補強でも他球団が見つけたものを奪うばかりですから……。たしかにルール上は問題ないですけど、創立者である正力松太郎の『巨人軍は常に紳士たれ』という遺訓が泣くような非紳士的な行為だと感じます」(同前)
前年、日本の他球団にいた外国人選手を獲得した過去12年(2004年はローズ、シコースキーの2選手、2008年はラミレス、グライシンガー、クルーンの3選手)のうち、優勝したのは阪神からメイを獲った2000年と2008年の2度だけ。単純に確率に直せば、1割6分7厘にしかならない。他チームの本塁打王を獲りながら、優勝できないとなればファン離れが進むかもしれない。