12月23日の天皇誕生日、そして新年を迎えた1月2日にともに皇居・長和殿で行われる一般参賀は、天皇陛下をはじめ皇族方が勢揃いする数少ない行事の1つだ。だがかつてに比べると、私たちの眼前に並ばれる人数はぐっと少なくなってしまった。その光景から、皇室の未来に不安を覚える人は少なくないだろう。
陛下の退位が2019年4月末に決定した。同日、国事行為として「退位の礼」が行われ、両陛下は第一線から離れられることになる。
それに先立つ2018年11月4日、秋篠宮家の長女・眞子さまが小室圭さんと結婚され、皇族から民間人となる。つまり、両陛下も眞子さまも「公務」を担うことができなくなる。
「天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為やその象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます」
2016年8月のお気持ちの中で、陛下はそう明かされた。どれだけ陛下が「務め」を大切にされているかが伝わってくる。一方で、全体の人数が減少してしまうことは、皇室としてこれまでと同じように活動して「務め」を果たすことが不可能になることを意味する。
「今の活動をそのまま今後も、(中略)その量を同じようにできるかというと、私はそれは難しいと思います」
2015年の誕生日会見で、秋篠宮さまがそう話されたこともあった。
人数が足りないという物理的な問題だけではない。国民と苦楽をともにし、心に寄り添う。高齢になっても続けられる祈りの旅。先の戦争を肌で知る両陛下が築き上げ、国民から絶大な信頼を得てきた「平成の皇室像」がそのまま継承されるのは難しい。いずれ次代にふさわしい皇室の姿が形作られていくだろう。皇室は今、大きな岐路に立たされているといえる。
◆側室という安全装置はもうない
皇室典範では、女性皇族は結婚すると皇籍を離脱すると規定されている。現在、皇室には陛下のほかに18名の皇族方がいる。そのうち、眞子さまを除くと未婚の女性皇族は6名だ。
「愛子さま以外の5名は成人を迎えられており、“結婚適齢期”といっていいでしょう。退位という大きな課題に一旦の区切りがついたことに加え、眞子さまの結婚を機に女性皇族の“結婚ドミノ”が起こってもおかしくないと思います。そうなれば、さらに皇族の減少は加速します」(皇室記者)
そこで取り沙汰されているのが、今回、陛下の退位にまつわる特例法の付帯決議にも記された「女性宮家創設」だった。皇室ジャーナリストの山下晋司氏が解説する。