中国では所得が高いホワイトカラーの男女を中心に健康志向が強まり、痩せる薬が流行しているが、それにつけこんで、偽の薬が市場に横行している。内陸部の湖南省では偽薬の工場が建設され、約10万本、金額にして、1億元(約17億5000万円)もの売り上げがあったという。
また、浙江省では「笑気ガス」が違法に販売され、「使用すると恍惚感があり、痩せることができる」との宣伝文句で半年間で1万2000本、28万8000元(約500万円)も売れたという。いずれも香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。
湖南省の偽やせ薬については、いずれも20代の男6人が犯行に関わったとして、警察に逮捕されている。彼らは昨年初めから湖南省で偽薬を製造して、インターネットを通じ、宣伝し、販売していたという。
この薬を買った客がいくら飲んでも効果がないばかりか、腹痛や下痢などの症状が出たことからおかしいと思い、警察に通報。警察は今年4月から内偵捜査を開始し、証拠を固めたところで、11月下旬には警官隊が工場を急襲し6人が一網打尽となった。
一方、浙江省の事件は、上海の病院に勤務していた看護師の女が笑気ガスを倉庫から大量に盗み出して、男友達に安く売っていたというもの。その数は1万2000本で、男はインターネットサイトを通じて、1本当たり24元で販売していたという。
この笑気ガスは病院では麻酔薬として使われており、純粋に医療用として使用しないと違法となることから、通報を受けた警察が入手経路などを捜査。看護師を窃盗で逮捕したことから、男が浮かび上がった。