2017年の角界を揺るがせた元横綱・日馬富士(33才)の暴行事件。10月25日の夜、巡業先の鳥取市内の飲食店で日馬富士がモンゴル人の後輩力士・貴ノ岩(27才)を殴打した。鳥取県警によると、同席した横綱・白鵬(32才)が話をしている最中、貴ノ岩がスマートフォンをいじったため日馬富士が激怒。平手やカラオケのリモコンで貴ノ岩の頭部を数十回殴打し、全治10日程度のけがを負わせたとされる。
貴ノ岩の師匠である貴乃花親方(45才)は事件の4日後、鳥取県警に被害届を提出。貴ノ岩は入院し、九州場所を初日から休場した。スポーツ紙の報道で事件が明るみに出ると、日馬富士は大バッシングに見舞われた。
「相撲界の暴力体質は変わっていない」
「上の立場の人間が暴力をふるうのは野蛮で低俗な行為」
連日の猛批判を受けて、日馬富士は11月29日に相撲界を引退。同日の記者会見で暴行に至った経緯についてこう語った。
「先輩横綱として、弟弟子が礼儀と礼節がなってないときに、それを正して直して教えてあげることは、先輩としての義務だと思っています。ぼくが叱ったことで、彼が礼儀と礼節をちゃんとしていける、考えながらがんばっていけると思って(やったが)、行きすぎたことになってしまいました」
あくまで“愛の鉄拳”であったことを強調した。
◆教育界でも暴力騒動は存在する
「暴行事件」は教育界でも発生した。2017年11月下旬、秋田県立能代工業高校の男性教師が修学旅行中の羽田空港で、弁当配布に遅刻した男子生徒1人を平手打ちし、別の2人に腕立て伏せやスクワットを命じた。後にこの教師には戒告処分が下された。
この件にも「体罰は指導とはいえない」「あってはならないこと」との世論があがった。実際、昨今は指導者が手を上げることは、いかなる理由であっても許されないという風潮がある。都内在住の女子高生が言う。