生き馬の目を抜く熾烈な競争社会にあって勝者と敗者は一瞬にして入れ替わる。しかもその帰趨は実力通りに決まるとは限らない。そのことを身をもって知るからこそ、勝負の世界に生きる彼らの中には人知を超えた“何か”に頼る者が多いのだ。
「今年の顔」としてニュースを彩ったあの有名人たちは、どんな神様に頼っているのか?
将棋界史上初の「永世七冠」を達成し、国民栄誉賞の授与が検討されている羽生善治氏。「プロ棋士は勝敗を神に委ねない」と言われるが、実は羽生氏が通っている神社があった。鳩森八幡神社(東京・渋谷区)である。『神社の謎』の著者で作家の合田道人氏はこう言う。
「将棋会館の隣にあるので将棋関係者の参拝が多い神社ですが、羽生さんも通っているようです。神社関係者によれば、今年は藤井聡太四段と一緒に来たこともあったそうです」
羽生氏は1996年3月、畠田理恵夫人とここで挙式した。よほど大切にしている神社なのだろう。
スポーツの世界では、より「勝負神社」の存在感が増している。日本三大八幡の1つで「開運勝利の神」を祀る筥崎宮(福岡市)には福岡ソフトバンクホークスが毎年1月、必勝祈願に訪れる。