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政府が推していた「2019年元日改元案」が見送られた背景

改元までは残り1年余り(時事通信フォト)

 いよいよ平成30年。今上天皇が退位する平成31年4月30日まで残り1年余りとなったが、改元の時期決定をめぐり、当初官邸が進めていた元日案がいつの間にか立ち消えとなった。いったいどんな事情があったのか。

 平成30年の一般参賀は、同年11月に結婚して民間人となる秋篠宮家の長女・眞子内親王にとって最後の参列となる。

 天皇にとっての元日は“1年のうちで最も忙しい日”とされる。早朝から宮中祭祀に臨み、「新年祝賀の儀」では首相や衆参議院議長、最高裁長官をはじめ約700人もの要人と分刻みで面会する。お身内との「御祝御前」も22時まで続くこともある。翌2日の一般参賀の後も行事は続く。1月3日には成人皇族が参列する「元始祭」があり、翌4日には掌典長から前年の祭祀が滞りなく執り行なわれたという報告を受ける「奏事始」がある。昭和天皇の命日である7日には「昭和天皇祭」も控えており、その準備にも追われる。天皇の正月はまさに“息つく暇もない”のである。

 12月8日の閣議決定により、天皇の退位日は平成31年の4月30日となり、翌5月1日に皇太子が新天皇として即位することが決定した。皇室ジャーナリストの久能靖氏がいう。

「政府は当初、区切りとして分かりやすいということで、2019年の元日に改元する案を推していました。しかし陛下がご多忙を極められる元日の直前に、退位と即位に関する様々な儀式を行なうのはどう考えても無理。陛下も正月の行事を非常に大切にされていることから、宮内庁から強い反対意見が上がり、元日改元案は見送られたのです」

 天皇が正月のハードスケジュールをこなすのも、残すは今年と来年の2回のみとなった。

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