王さんは、小学3年生で学校を中退。当時は毛沢東主席が鉄の大増産の号令をかけるという大躍進政策の失敗で、中国全土が大飢饉に見舞われていた。そのため餓死者は数千万人に及んだとされるほどの大混乱で、王さんは「勉強するどころではなかった」と話している。
そのような王さんだが、法律の独学が実って、裁判開始から16年後の2017年には一審裁判では勝訴。会社側は農民ら55世帯に計82万元(約1400万円)を支払うほか、汚染された農地も元通りに薬物を除去するよう求める判決を下した。この裁判中、何度も地元の警官らが王さんらに「裁判を取り下げろ」と迫り、暴力も振るったという。
王さんは「汚染の陰には、必ず腐敗が存在している」と指摘している。
第二審裁判は2017年10月に開始。中国は2審制なので、今回の控訴審で結審となる。