絶品の料理を生み出すミシュランシェフ。そんな彼らが毎日食べている「まかない」とは一体どんなものなのだろうか。飲食店で働く者にとって「まかない」は最大の楽しみであり、働くための活力である。だからこそ、料理人たちは一切の妥協を許さない。今回は、ビブグルマン・Arroceria Sal y Amorのお店の「メニュー」には決して載ることのない“門外不出”のレシピを教えてもらった。
日本初のアロセリア(スペインの米料理専門店)をうたう同店。汁気の多い米料理「カルデロ」やパスタで作るパエリア「フィデウア」も人気が高い。
「パエリアと店のメニューを週に1回は作るというまかないルールがあって、スタッフみんなで味の確認をしています。それ以外の日は基本的に何を作っても自由。なかにはハンバーガーをバンズから作る子も(笑い)。まかないは味覚を学び、みんなで共有する場なんです」(淺井祐志シェフ)
あさりの旨みが凝縮したパワフルなスペインおじや、『アロス コン アルメハス』と、優しい味の鶏肉のトマト煮のレシピをご紹介しよう。
◆アロス コン アルメハス
材料(4~5人分)
米(はえぬき)…2合 にんにく…2片 ピーマン…2個 あさり…1kg 白ワイン…300cc イタリアンパセリ…1/2パック 鶏スープ…約1000cc
作り方
【1】あさりを鍋に入れ、白ワインを入れて酒蒸しする。開いたらざるで漉し、半量をむき身にする。
【2】鍋にオリーブオイル(分量外)とにんにくのみじん切りを入れ香りを出したら、角切りにしたピーマンを入れて炒める。
【3】米を入れ、米粒の表面にオイルをなじませる。
【4】【3】にあさりのむき身、パセリのみじん切りを入れ、あたためた鶏スープ900ccほど入れて加熱し、沸騰したら弱火に。汁気が少なくなり過ぎたら残りの鶏スープを足し、20分煮込む。殻つきあさりを加えて完成。