スポーツ

確執報道もあった星野仙一と落合博満 監督としての共通点は

監督時代の星野仙一氏は誰も特別扱いしなかった(写真:時事通信フォト)

 1月4日、膵臓がんで亡くなった星野仙一氏(享年70)の監督人生を語る時、大打者・落合博満の存在は欠かせない。1986年オフ、中日・星野監督の誕生直後に1対4の世紀の大トレードでロッテから2年連続三冠王の落合が移籍。1985、1986年と2年連続5位に終わっていた中日だったが、1988年には6年ぶりとなる優勝。星野と落合は優勝請負人の役割を果たした。

 だが、学生時代に上級生のしごきに嫌気が差していたという落合と、時に鉄拳制裁を食らわせながらも選手を育てていた星野氏の野球観が一致していたとは言い難く、スポーツ紙などで度々確執が報じられていた。

 1988年を含め、中日ドラゴンズは球団創設以来、9度のリーグ優勝を果たしている。そのうち2度は星野氏(1988年、1999年)、4度は落合氏(2004年、2006年、2010年、2011年)であり、2人で3分の2を占めている。星野氏は2003年には阪神を18年ぶりに、2013年には楽天を球団創設初の優勝に導いており、2人ともプロ野球史に残る名将と言って差し支えないだろう。

 一見、馬が合わないように見える2人には、監督としてある共通点があった。1990年代、中日のエースだった今中慎二は自著『中日ドラゴンズ論』で星野監督が落合に怒りを爆発させた場面を見て、仰天したと書いている。1990年5月24日の巨人戦、絶不調に陥っていた落合は2回、セーフティーバントを試みる。まさかの行動に巨人は意表を突かれた格好に。この出塁をキッカケに中日はこの回、2点を奪って逆転した。しかし、試合後のミーティングで星野監督は落合にこう激怒したという。

「なんでバントなんかしたんだ! バントさせるときは俺がサインを出す。勝手にやるな。4番なんだから4番らしい仕事をせぇ。罰金だ!!」

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン