夫は辞職、妻は落選──山あり谷ありの夫婦が今も二人三脚で歩いているのは“宝物”がいたからだ。2012年の衆院選で初当選するも、2016年2月に辞職した宮崎謙介氏(36才)と、2017年10月の衆院選で落選した金子恵美氏(39才)の夫婦。現在、2016年2月に誕生した長男の子育て真っ最中の2人が、“子育て”に優しくない日本社会に物申す。
金子:息子と過ごす時間が多くなって感じたのは、この国がもっともっと子育てにやさしい国になってほしいということです。例えば新幹線での移動で、息子が大きな声を出す。もちろん疲れているかたもいるでしょうし、こちらもデッキに出たりします。でもキッと睨まれたり、舌打ちされたり、ため息をつかれるとそれだけで萎縮してしまう。
欧米では、公共の場で子供が何か迷惑をかけたとしても「子供なんだからそれでいいよ」と受け入れてくれます。ベビーカーで電車やエレベーターに乗ろうとしても、「もう少し詰めたら乗れるよ」と車内を誘導してくれたりもする。日本人の気質もあるかもしれませんが、なかなか日本では難しい。
──政府も子育てしやすい環境づくりには取り組んでいますが、待機児童問題1つとっても、なかなか解消しません。
宮崎:そもそも待機児童問題は、東京や神奈川など、人口が集中している地域だけで起きていることです。
金子:地方では定員割れしている保育園が子供を奪い合っているような状況なんです。だから、待機児童問題を解決しようとするなら、働きたいすべての人が子供を預けられるようにするだけでなく、育休後には職場に復帰しやすい環境を整えることを優先させるべきだと思います。
宮崎:金子とふたりで都内の区長さんを訪ねてヒアリングをしたところ、皆さん口を揃えて“対策すればするほど、預けられるなら預けたいという人が出てくるから待機児童は減らない”とおっしゃっていました。