胡錦濤・元国家主席の長男、胡海峰氏が浙江省台州市トップの党委員会書記に昇格していたことが分かった。王昌栄・党委書記が浙江省党委員会書記兼市政法委員会書記に転出したための昇格だが、台州市は沿海部の経済・観光都市で、浙江省内でも重要都市であり、前任者同様、浙江省幹部へ道が開けたといえる。
胡海峰氏は2年前に国有企業幹部から嘉興市長に転じており、ビジネス界から政界入りした幹部が、わずか2年という短い行政経験を経て、沿海部の主要都市のトップに就くのは極めて異例。
ネット上では「ビジネス界からすぐに市長になり、たった2年で市トップというのはまさにロケット出世。胡錦濤氏という親の七光り以外の何ものでもない」とのやっかみともとれる書き込みがみられる。香港紙「明報」が報じた。
胡海峰氏は1971年生まれの46歳。中国有数の名門校、上海交通大学を卒業後、父の胡錦濤氏の出身校でもある清華大大学院のビジネススクールを終え、同大が出資する国有企業の幹部に就任。
その後、胡海峰氏はアフリカのナミビア政府に対して、空港で使う検査機器を売り込んだ際、収賄疑惑が報じられたことで、企業幹部を辞任し、清華大副秘書長に転じた。その翌年、嘉興市にある同大の浙江清華長江デルタ研究院のトップに就任しており、その縁で、嘉興市の党委副書記に就任している。
通常、市の党幹部には県級(中国の場合、県は市の下部組織)の行政機関の幹部経験者が昇格するが、胡氏の場合、行政経験が皆無で市の党幹部に就任しており、行政上の手続きが無視された形だ。