麻雀といえば、タバコの煙がモクモクとする中、カネを賭けているがために目は血走り殺伐とした空気になっているというステレオタイプのイメージがあるかもしれない。だが、女性限定の教室を毎日開催する銀座ヤナギカルチャースクール東大島支店「東大島女性マージャン教室」(東京都江東区)を取材して、その偏見は一掃された。10時のオープンと同時に60~70代の婦人たちが次々入室し、11ある雀卓があっという間に埋まる盛況ぶり。
同教室を主宰する柳田誓也さんが銀座に女性麻雀教室を開講したのは26年前。父が経営していた麻雀店を引き継ぎ、日中空いている店内を使い、女性に麻雀を広めたかったことと、当時90才だったおばに麻雀を楽しませてあげたかったからだという。
「当店の麻雀教室は、麻雀のゲームとしてのおもしろさを追求した健康麻雀ですが、当時世間ではまだまだギャンブルのイメージが強く、初めのうちはなかなか女性会員が集まらず、来てもご主人に内緒という人も多かったですね。
それでも銀座三越などと提携し、少しずつ銀座のマダムたちに麻雀の魅力が伝わると、どんどん会員が増えました。今は銀座本店、東大島店ともに毎日開講するほど盛況。お弁当を作って、午前の部、午後の部とはしごされるかたも(笑い)。また、最近はご主人にすすめられて来られる人も多くなりましたね」(柳田さん)
中には認知症、脳梗塞のリハビリ中の人もいるという。「これらの病気以前に少しでも麻雀に親しまれていれば、楽しめる人は多いです。認知症で、会場まではご主人や娘さんが連れて来られるのに、いざゲームを始めるとものすごく強かった…という人もおられます」