最新のFIFAランク(2017年11月)では55位。ロシアW杯に出場する32か国中28位という下降線をたどるサッカー日本代表に、かつての絶対的エース・本田圭佑の復帰を求める声は依然として根強い。
しばらく代表から遠ざかり、イタリアの名門セリエAからメキシコリーグへ“都落ち”した本田は今、その待望論を知ってか知らずか、サッカーとは違った一面でその才能を発揮しようとしている。極秘で開かれた、その活動の一部始終を公開する。
◆「経営の方がセンスあるわ」
「昼から孫正義さんとお話しさせていただいてですね。その後、資生堂さんの代表の方とお話しさせていただいて……」
昨年末、都内某所のパーティー会場で、サッカー日本代表の本田圭佑(31)が数十人の参加者を前にマイクを握っていた。日に焼けた浅黒い顔に鮮やかな金髪、シャツの襟元のボタンを外したいつもの本田らしいスタイル。だが、話の内容はサッカーについてではなかった。
「今日は皆さんと将来のことをお話しさせていただければなと思っています。テーマがですね、あまり細かいことを言わずに、まさに『投資』。次世代の日本を、世界を作っていく『投資』をテーマに今日は皆さんに集まっていただいているので」
グラスを片手に本田のスピーチに耳を傾けていたのは、本田とつながりのある若手の経営者たちだった。本田の語り口にますます熱がこもる。