中国の湖北省や四川省、青海省などの産業がほとんどない過疎の貧しい村に住む若い女性が代理母となるケースが増えている。湖北省のとある村では100人もの女性が代理母となっており、高ければ80万元(約1400万円)、最低でも10万元(約175万円)の成功報酬が約束されている。
また、代理出産の依頼は年々増えており、仲介業者は中国内ばかりでなく、米国にも代理母ビジネスを拡大させている。中国のニュース専用サイト「新聞網」が報じた。
湖北省のある村では夫が都市部に働きに出ており、その老親夫婦や子供の世話をする女性が代理母になっている。農村部では現金収入を手にするような産業はないことから、義理の母や親戚らから、手っ取り早く現金が手に入る代理母になるよう説得されることもあるという。
依頼主はほとんどが都市部在住の富裕層で、2016年にこれまでの「一人っ子政策」が廃止され、2人目の子どもを持つことが法的に許された。だが、すでに妻が妊娠の適齢期を超えていたり、不妊症に悩んでいるため、代理母に出産を依頼しているという。
中国の政府機関である国家衛生計画生育委員会によると、不妊症に悩む女性は年々増えており、北京や上海など中国の都市部では、富裕層の夫婦の依頼を受けて、代理母をあっせんする仲介業が大きなビジネスになっている。
湖北省に住むある代理母は「若いときに都市部の工場に出稼ぎに行って、毎日12時間以上働いたが、1年間で4000元しか稼げなかった。それに比べて、代理母となって子供を出産すれば少なくとも10万元と、報酬もケタ違いだ」と語っているという。