ビジネス

マンション最後の売り時 局地バブルエリアの価格は3分の2へ

「不動産売却は幻想に包まれている今のうち」と榊氏

 マンション市場に静かな変化が起きている──。都心の新築マンション市場がバブル化しだしたのは2014年頃からだ。黒田日銀総裁の異次元金融緩和に加え、外国人の爆買いや相続税対策のタワーマンション特需がバブルを強力にプッシュした。

 2017年、もはや局地バブルはピークアウトしたと思われた。しかし、まだ続いている。新築マンションの事業用地は値上がりが続いている。ということは、2018年から2019年にかけて新たに売り出される新築マンションは、さらに値上がりするということだ。

 ところが、現時点(2018年1月)において新築マンション市場には深刻な停滞感が漂っている。特に東京の城南エリアや京都市の北部エリアにおいては、販売中物件の半分以上が完成在庫になっている。

 新築マンションは竣工・引渡しまでに完売、というのが売主側の理想的な目論見だ。用地の購入や建築に関わる費用は銀行融資で賄っている場合がほとんどなので、完売していれば引渡しの直後に全額を返済できる。

 完成在庫になった場合は、当初の見込みにない金利負担が発生する。ところが、バブル的に新築マンションが値上がりしている城南エリアでは、売主側の目論見が外れた完成在庫だらけになっている。

 冷静に考えれば、これは当たり前の展開だ。

 土地の価格が上がり、建築費は高止まりしたままなので、新築マンションの販売価格は自然に上昇する。しかし、購入する側の収入は増えてない。

 2014年には消費税が8%に増税された。また、アベノミクス以来の円安によって公共料金が引き上げられた。社会保障費の個人負担も増えている。それにもかかわらず、個人所得は一向に伸びない。その結果、個人の可処分所得は実質的に減少している。

 であるにもかかわらず、マンションの価格だけが上がったのが今回の局地バブル。所得が増えないのに、高くなったマンションを買えるわけがない。その結果として、東京の城南エリアや京都市内の一部エリアでは在庫の山を築いているのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン