今なおくすぶる、昨年の元横綱・日馬富士による暴行事件を発端とした「貴乃花vs相撲協会」のつばぜり合い。その裏で昨年12月、相撲協会はひっそりとある人物を提訴した。損害賠償額は約1億6500万円に上る。
その人物とは、協会の元顧問のK氏。訴状によれば、K氏は元顧問という立場を利用して、国技館改修工事を受注した企業から8000万円を受け取るなどの背任的行為を行っていたとされる。
「このK氏は貴乃花親方の大物支援者として知られる人物です。一昨年頃から親しくしていて、貴乃花親方が前回の理事長選に立候補できたのもK氏のサポートがあったからだといわれています。2016年1月、K氏が協会の顧問を解雇された際には、貴乃花親方が『なぜクビにしたんだ』と激高したそうです。このタイミングでの提訴にも協会側の思惑を感じざるをえません」(あるタニマチ)
K氏の身動きが封じられれば、貴乃花一派にダメージがあるのは必至だ。
◆「協会の女帝」による執拗な貴乃花潰し
貴乃花親方の理事解任を全会一致で承認した1月4日の臨時評議員会。その後の会見で池坊保子・評議員会議長は、こう貴乃花親方を批判した。
「八角理事長が何度携帯電話に電話をしても全く応答なく、折り返しの電話もないというのは著しく『礼』を欠いていたのではないか」
この発言に世間は、「感情で処分を決めるのか」「被害者の貴乃花を一方的に批判することこそ礼を欠いている」と猛反発した。
池坊議長は、華道家元・池坊家の四十五世である池坊専永氏と結婚後、国会議員や文部科学副大臣を経て、2014年3月に評議員会議長に就任した。一連の騒動では、「反貴乃花派」と見られている。
「池坊さんは過去に、『貴乃花さんはクスリをやっているんじゃないかというくらい変なのよ』と周囲に漏らしたと報じられました。貴乃花部屋の“お取り潰し”まで検討していたといわれているほど。本人は“反貴”を否定しているが、角界では、“池坊さんは貴乃花を潰そうとしている”との見方がもっぱらです」(協会関係者)
◆スポーツ紙が貴派と協会派で真っ二つ