両国国技館の東西の通路に配された売店では3横綱(白鵬、稀勢の里、鶴竜)と2大関(豪栄道、高安)それぞれの名を冠した弁当が販売されている。
人気力士の弁当から売り切れていくのが常だが、今場所は「白鵬弁当」が売れない。白鵬が北勝富士(前頭1)相手に初黒星を喫して座布団が舞った3日目(1月16日)は、全取組が終了した後も白鵬弁当だけが売れ残っていた。
「暴行事件の当事者でありながら居直り、追及する貴乃花親方に敵意むき出しの白鵬に対して、相撲ファンも反感を抱いている。白鵬に土がつくたびに拍手喝采が送られ、休場に追い込まれていくのを見て、貴乃花親方に近い親方衆は自信を深めたはずだ」(担当記者)
初場所後には協会の理事選が控えている。八角理事長ら執行部と貴乃花グループが10の理事枠を奪い合い、その結果で次の理事長が決まる。今場所は土俵上の些細な異変も含めてすべて、角界の覇権を巡る勢力争いにつながっていくのだ。
国技館内では、協会執行部に反旗を翻した貴乃花親方への“監視”が厳しくなっている。日馬富士暴行事件を巡る協会の調査に非協力的だったことなどを理由に、貴乃花親方は場所前の1月4日に理事解任(2階級降格)の処分を受け、「巡業部長」の任も解かれた。
「それによって、これまで“貴乃花グループの作戦本部”と目されてきた『巡業部』の部屋に足を運べなくなったのです」(スポーツ紙デスク)