「夏バテ」といえば身体のだるさや食欲減退などの症状でおなじみだが、「冬バテ」などという言葉はほとんど聞いたことがない。しかし、本当に気をつけるべきはむしろこちらのほうらしい。
気象庁は1月11日、「ラニーニャ現象」が継続していると発表した。これは太平洋の日付変更線付近から南米・ペルー沿岸にかけての海面水温が平年より低くなる現象であり、昨年8月から5か月連続で基準値を下回っている。
ラニーニャ現象は遠く離れた日本にも影響を与えている。偏西風が蛇行しやすくなり、日本周辺は冬型の気圧配置が強まるため、その年の冬は平年より寒くなる傾向があるのだ。気象予報士の資格を持つ異色の脳神経外科医・福永篤志氏が言う。
「昨年12月の天候を調べてみると、平年に比べて全国的に気温が低い一方で、3大都市圏を含む太平洋側は日照時間が長くなっている。今年の冬は、例年よりも1日の寒暖差に注意が必要と言えそうです」
そういった天候の中で、気をつけたいのが「冬バテ」だ。
夏場に起こる夏バテは、寒暖差が原因だ。その差が大きくなるほど交感神経が活性化し、リラックスを促す副交感神経が働かず、常に身体が緊張した状態になる。それらの神経をつかさどる自律神経がバランスを崩し、倦怠感や胃腸の不調など様々な体調不良が引き起こされる。