緊迫する朝鮮半島情勢で、日本人の目は金正恩ばかりに注がれている。だが、本当に危ないのは文在寅だ。元駐日韓国大使館公使の洪ヒョン氏が警鐘を鳴らす。
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文在寅の大統領就任からおよそ8か月、青瓦台(大統領府)は「反米親北勢力」に乗っ取られた。
政務職はもちろん、中央省庁の局長・課長級に該当する秘書官とその他の行政官のほとんどは金日成主義である「主体思想」を学習した者らで、南北連邦制(*)を追求した「全大協(全国大学生代表者協議会)」や左翼活動家たちだ。彼らは、「韓国そのものを平壌に捧げよう」という強い信念を持つ親北勢力である。
【*朝鮮半島における「1国家2体制2政府」を想定し、南北の地方政府がそれぞれ国防、外交権を持つ構想。地方政府の上位に連邦国家の中央政府が位置する】
中でも代表的存在が、青瓦台ナンバー1の任鍾ソク・大統領秘書室長だ。全大協の議長だった1989年に平壌で開催された世界青年学生祝典に全大協の女子大生を派遣し、国家保安法違反で懲役5年の実刑判決を受けた。その後、国会議員になって公務で米国を訪問しようとしたら、当局から入国を拒否されたいわくつきの人物である。
昨年11月、収賄事件で辞任した田炳憲に代わり、青瓦台ナンバー2である政務首席秘書官に就任した韓秉道も全大協出身だ。
文在寅のスピーチライターを務める申東昊・演説秘書官は、元「全大協」文化局長で漢陽大学時代は任鍾ソクの1年先輩。この二人は李明博政権時代、朝鮮労働党の委任を受けて「南北経済文化協力財団」を設立し、金日成大学を支援し、朝鮮中央テレビなどを引用した場合のコンテンツ使用料を韓国の言論機関から徴収して、その金をせっせと平壌に送っていた。