ベテランアナが、各局の番組を支えているケースが実は多い。コラムニストのペリー荻野さんがそうした“お宝アナ”の実力について解説する。
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有働由美子アナが今春、『あさイチ』を降板するのではと今から騒がれている。昨年末の『紅白歌合戦』で、有働アナがメイン司会ではなく、福山雅治の中継担当で「ちょっと物足りない」と思った方も多かったのでは。なんだかんだ言って、「この人に任せておけば安心」「もっと出て欲しい」と思えるアナウンサーは、局のお宝なのである。
お宝アナのポイントは、原稿読みのうまさ、番組進行の巧みさはもとより、番組が盛り上がり、過激な方向に行きそうになっても、悪乗りしない冷静さがあることだと思う。いっしょに悪乗りしては収拾がつかなくなることをよく知っている。番組を俯瞰してみる“おとな”の目線が頼もしいのだ。そんな局アナが、最近少なくなったように見えるのは、番組が彼らに悪乗りさせようとするからかもしれない。タレントが悪乗りするのは当たり前だが、局アナが悪乗りしたほうが話題性はずっとあるからである。